車検の期限を示す、ステッカー。これまでは、車両フロントガラスのほぼ中央位置に貼り付けていました。
このステッカーの貼り付け位置が、2023年7月3日以降の登録・車検受検車の場合、貼り付け位置が変更となります。
新しい貼り付け位置は、これまでの「前方から見えやすい位置」から「前方かつ運転者席から見えやすい位置」へと変わります。「前方かつ運転者席から見えやすい位置」とは、「運転者席側上部で、車両中心から可能な限り遠い位置。例外として、その位置で運転者の視野を妨げる場合は、運転者の視野を妨げない前方かつ運転者席から見やすい位置」と規定されています。
この実施要領の改正が施行されると、車検ステッカーの貼付位置は、右ハンドルの場合、フロントガラスの右角が、左ハンドルの場合、フロントガラスの左角が主な貼付位置になります（どちらも運転席から見た場合）。
なお、この改正は、施行開始日、つまり7月3日以降に、新たに車検ステッカーを貼付する車両が新基準の対象となります。 すでに貼付している車検ステッカーの貼付位置を変更する必要はありません。
ところで、「車検」と「法定点検」に違いがあるのをご存じでしょうか？
「車検」とは、「継続検査」とも呼ばれ、「その車が、受検時点で保安基準に適合しているかどうかを検査する」もので、車の故障や交換が必要な部品を見つけるための点検ではありません。ですから、工場に依頼すると、「法定24か月点検」と一緒に、車検を受験することになります。しかし、必要書類さえ自分で記入できれば、いわゆる「ユーザー車検」も可能なのです。
そして、車検は受けないと罰則があります。
車検切れの車で公道を走った場合（前歴なし）、6ヶ月以下の懲役または、30万円以下の罰金、違反点数は6点で、免停になります
一方で法定点検は、車が安全に公道を走れるよう車が故障していないかを事前に点検整備するもので、車のトラブルを未然に防ぐ役割をしています。法定点検は、言わば車の健康を維持するための大切な点検整備です。
12ヶ月点検、24ヶ月点検などの法定点検は、道路運送車両等の法律で定められている、車を使用している人の義務ですが、点検を受けなくても罰則はありません。
12か月点検を受けるかどうかは、所有者の判断になります。しかし、受検した12か月点検で、ブレーキが限界ぎりぎり、ということが判明し、修理・交換をして、事なきを得た、という例もあります。
よほど整備に関する知識・技術を持った方でない限り、ユーザー車検だけで整備・点検をしない、というのは、車の危険性が高まり、事故の原因となることも考えられます。
意図せず、事故の加害者となったり、故障など不測の事態を防止するためにも、ご自身の車両の健康診断を、任せられる工場で、定期的に受けていただくことをお勧めします。